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国内事業

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事例③ 経営全般を俯瞰する視点の習得と中期経営計画の策定

業務の背景と全体概要

A社は人財育成を経営上の重要テーマと掲げ、長年に渡り従業員への教育活動を活発に行ってきた。将来の幹部候補には積極的にジョブローテーションを行い、見識の幅を広げ、様々な経験を積むようキャリアプロセスを設計している。しかしながら、晴れて経営陣の仲間入りをした新経営幹部に本音を聞くと、彼らは自らを「経営の素人」と表現しており、実際問題として経営者として多くの難題を抱えていた。その背景にはA社は確かに幅広い経験を積めるキャリアプランを用意していたものの、それは経営全般をカバーしているわけではなく、依然として習得した事業ノウハウに偏りがあった。つまり、確かにA社事業について幅広く体験することは実現していたが、「体系的」ではなかったのである。

経営者としての能力は、実際問題として企業の規模と反比例する傾向にある。中小企業の経営者は常に経営全般に触れ、経営に生じるあらゆる難題を身を以て体験しているのに対し、ある一定規模以上の規模の企業では業務が細分化されているため、殆どの経営機能へ触れることなく社員は経営幹部へと昇進してしまう。経営全般に対する視点やノウハウは経営者になってから学んでいたのでは遅く、キャリア形成のある段階で、経営全般を網羅したノウハウを習得し、将来経営者となる日に向けて準備することが本来の姿である。そこで、A社では幹部陣を対象に将来の経営者候補育成として、経営とは何か、いかに企業経営を体系的に認識するかについて教育することとした。

業務内容

  • 経営とは何か
  • 経営体質6つの視点
  • 中期経営計画の策定と実践

そもそも「経営」とは何かを理解することからスタートし、経営を体系的に分析できるよう経営体質について6つの視点を習得した。これらノウハウをベースに中期経営計画を策定・実行し、経営者として実際に企業を成長させることを体験した。

成果

次期経営者候補から最も上がった感想は、「経営が何を意味するのかを、実はよく理解していなかった」というものであった。彼らは各担当領域で人一倍の成果を出し、社内でも評価を得ていた人財である。しかし、それはあくまで企業活動の一部に過ぎず、経営者に求められる能力や視点とは全く次元の異なるものであることを認識したためである。本取り組みを通じて曖昧であった経営に対する認識が明確となり、自らの目指す経営者像がより明らかになったことは大きな収穫であった。

また、次期経営者候補が注目する経営課題が大きく変化したことも、本取り組みの成果として上げられる。経営を理解する6つの経営体質を修得したことで、これまでは意識すらできなかった企業経営の重点課題が見えるようになったのである。こうした経営上の重点課題が認識できるようになった上で、次期経営者候補は自身が所属する各部署について中期経営計画を策定し、それに基づき各部署を経営することを体験した。事業マネージャーとしての計画ではなく、経営者として各部署を経営するという視点で事業計画を策定し実行したのである。事業マネージャーとしての視点と経営者としての視点が大きく異なることを実体験したことで、より活発な事業部が構築されることへと繋がった。