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SDGs事業

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事例③ SDGビジネスのインパクト評価手法に関する調査

業務の背景と全体概要

SDGsは17の目標、169のターゲットにより構成され、その実現に向け、各国政府や地方自治体や企業が各地域における状況と優先順位を踏まえ、独自のターゲットとアクションを定めることを求めている。このアプローチはいわば「目標ベースのガバナンス」であると指摘される 。従来の国際的な合意による問題解決では、条約などの法的枠組みを形成することを通じて「ルールによるガバナンス」が志向されることが多かった。これに対して、SDGsは世界がどうあるべきかという姿を「誰一人取り残さない(No one left behind)」という言葉で表し、その実現に向けた達成水準のみを示して、手法については各ステークホルダーの努力を信頼している。その意味ではSDGsは、いわば自律協調型の活動を創出する役割を果たしているというのが「目標ベースのガバナンス」の考え方である。こうしたガバナンスを通じて目標を達成するには、SDGsに取り組む各アクターが、そのインパクトを可視化し議論する共通言語や共通フレームワークが必要となる。そのため、民間セクターによるSDGsへの関与が求められる背景を概観した上で、SDGビジネスのインパクト評価に係る主要な議論をまとめることが必要とされた。

業務内容

国際機関からの委託により、民間セクターによるSDGsへの関与が求められる背景を概観した上で、SDGビジネスのインパクト評価に係る主要な議論を調査分析した。本調査では、公共セクター、民間セクター、非営利セクターのツールについて情報を収集した上で、特に以下12の評価手法について報告した。

位置付け No. インパクトの評価手法 主導する組織/イニシアティブ
規範・原則 1 インパクト・マネジメント規範 インパクト・マネジメント・プロジェクト(IMP)
2 インパクト・マネジメント運用原則 国際金融公社(IFC)
エコシステムの形成 3 IRIS+ グローバル・インパクト投資ネットワーク(GIIN)
4 インパクト・クラシフィケーション・システム IMP+ACTアライアンス、GIIN
5 CDPディスクロージャー・プラットフォーム CDP Global
6 Bインパクト・アセスメント B Lab
7 MSCI SDGアライメント・ツール MSCI
8 PwC トータル・インパクト・メジャメント&マネジメント PwC
ガバナンスの支援

 

9 SDGインパクト基準 UNDP SDGインパクト・イニシアティブ
10 SDG Compass グローバル・リポーティング・イニシアティブ(GRI)
11 Impact Lab ビジネス・コール・トゥ・アクション(BCtA)
12 横浜市SDGs登録・認証制度Y-SDGs 横浜市

成果

SDGビジネスのインパクト評価は、社会にとってクリティカルな課題であり、企業のインパクト・ウォッシュを防ぐため、また適切なインパクト評価・管理を行うために、多くの国際機関やイニシアティブ、NGO/NPOが協働してインパクト評価に関する規範、フレームワーク、ツール類の整備を進めている。こうした状況を踏まえ、SDGビジネスを評価する主要な方法論及びアプローチについて、国際的な潮流や国内外における事例をまとめ、今後の議論の基礎情報としてとりまとめた。報告書の内容は委託先の国際機関に高く評価され、同機関の内部における勉強会も実施された。